都市対流階層(としとうりゅうかいそう)
最終更新:2026/4/24
都市対流階層は、都市における大気汚染物質の垂直分布を示す概念であり、大気安定度と風速によって形成される。
別名・同義語 大気拡散階級Pasquill-Gifford分類
ポイント
都市対流階層は、汚染物質の拡散や滞留に影響を与え、都市の大気環境を評価する上で重要な指標となる。Pasquill-Gifford分類が代表的。
都市対流階層とは
都市対流階層は、都市部特有の大気汚染現象を理解するための重要な概念です。都市では、建物や道路などの人工構造物、ヒートアイランド現象などにより、周囲の郊外とは異なる大気の状態が生じます。この大気の状態が、汚染物質の拡散や滞留に大きな影響を与えます。
都市対流階層の分類
都市対流階層は、一般的にPasquill-Gifford分類に基づいて分類されます。この分類は、大気安定度と風速の組み合わせによって、AからFまでの6つの階層に分けられます。
- A階層: 非常に不安定。強い太陽放射による地表面の加熱、または夜間の穏やかな風により形成されます。汚染物質は急速に拡散し、濃度は低くなります。
- B階層: 中程度の不安定。日中の穏やかな風、または夜間の弱い風により形成されます。汚染物質は比較的拡散し、濃度は中程度になります。
- C階層: 弱不安定。薄曇りの日、または夜間の穏やかな風により形成されます。汚染物質の拡散は緩やかで、濃度はやや高くなります。
- D階層: 中立。風速が一定で、日中の曇りの日、または夜間の安定した風により形成されます。汚染物質は水平方向に拡散し、濃度は中程度になります。
- E階層: 弱安定。夜間の晴れた日、または穏やかな逆転層により形成されます。汚染物質の拡散は抑制され、濃度は高くなります。
- F階層: 非常に安定。夜間の強い逆転層により形成されます。汚染物質は拡散されず、濃度は非常に高くなります。
都市対流階層と大気汚染
都市対流階層は、大気汚染物質の濃度に大きな影響を与えます。例えば、E階層やF階層のように大気安定度が高い場合、汚染物質は地表付近に滞留しやすく、高濃度の汚染状態が発生しやすくなります。一方、A階層やB階層のように大気不安定度が高い場合、汚染物質は拡散しやすく、濃度は低くなります。
都市計画への応用
都市対流階層の理解は、都市計画においても重要です。例えば、工場や交通量の多い道路を建設する際には、都市対流階層を考慮し、汚染物質の拡散を抑制するための対策を講じる必要があります。また、緑地の配置や建物の高さを調整することで、都市の大気環境を改善することも可能です。