実存史フロー(じつぞんしふろー)
最終更新:2026/4/21
実存史フローは、個人の経験や感情の変遷を時間軸に沿って可視化する心理療法技法である。
別名・同義語 ライフラインスキーマフロー
ポイント
クライアントの過去の出来事と現在の感情を結びつけ、自己理解を深めることを目的とする。主にスキーマ療法で用いられる。
概要
実存史フローは、スキーマ療法において、クライアントの早期不適応スキーマ(幼少期の経験から形成された、自己や世界に関する根深い信念)を理解し、変化を促すために用いられる技法です。クライアントの人生における重要な出来事(特に感情的な影響の強かった出来事)を、時間軸に沿って整理し、その出来事と現在の感情や行動との関連性を探ります。
手順
- タイムラインの作成: クライアントの人生を、出生から現在まで時間軸に沿って表現します。
- 出来事の特定: タイムライン上に、クライアントにとって感情的に重要な出来事を書き込みます。出来事には、ポジティブなものとネガティブなものを含めます。
- 感情の記録: 各出来事に関連する感情を記録します。感情は、出来事が起こった当時の感情だけでなく、現在を振り返って感じる感情も記録します。
- スキーマとの関連付け: 各出来事と感情を、クライアントの早期不適応スキーマと関連付けます。どのスキーマが活性化されたのか、どのように影響を与えたのかを分析します。
- パターン分析: タイムライン全体を通して、感情やスキーマのパターンを分析します。特定の出来事や感情が繰り返し現れる場合、その原因を探ります。
目的
実存史フローの主な目的は以下の通りです。
- クライアントが自身の人生における出来事と感情のつながりを理解する。
- 早期不適応スキーマの形成過程を明らかにする。
- 現在の感情や行動に影響を与えているスキーマを特定する。
- スキーマの修正を促し、より適応的な思考や行動を促進する。
注意点
実存史フローは、クライアントにとって感情的に苦痛を伴う可能性のある出来事を扱うため、セラピストはクライアントの感情に配慮し、安全な環境を提供する必要があります。また、クライアントが無理に過去の出来事を振り返ることを強いるのではなく、クライアントのペースに合わせて進めることが重要です。