SPONSORED

カーボンニュートラル(かーぼんにゅーとらる)

最終更新:2026/4/11

温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と、森林等の吸収源による除去量を均衡させ、全体として排出量を実質ゼロにすること。環境保全に向けた国際的な目標である。

別名・同義語 脱炭素ネットゼロ

ポイント

気候変動問題の解決に向けた世界的な目標であり、脱炭素社会への転換を促す経済的・社会的な変革の指針となっている。

概要

カーボンニュートラルとは、人間活動に伴う二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量から、植林や森林管理、またはCO2回収・貯留技術(CCS)等による吸収量を差し引いた合計値を実質的にゼロにする取り組みである。これは「ネットゼロ」とも呼ばれ、産業革命前からの気温上昇を1.5℃以内に抑えるというパリ協定の目標達成に向けた国際的な必須条件となっている。

この概を実現するためには、単なる排出削減だけでなく、エネルギーシステムの抜本的な転換が必要である。化石燃料への依存度を下げ、再生可能エネルギーの導入拡大、省エネルギー技術の追求、そして循環型経済への移行が不可欠であり、政府、企業、個人のすべてのステークホルダーが連携した行動が求められている。

主な特徴・機能

  • 排出総量の削減と吸収源の確保の両面からアプローチする「均衡」の概念である。
  • 特定の排出源のみならず、経済活動全体を通じたスコープ1〜3の排出削減を包含する。
  • 炭素税や排出量取引制度などの経済的手法と、技術革新を組み合わせた政策立案を促す。
  • 企業のESG投資やサステナビリティ経営における主要な指標として定着している。

歴史・背景

2015年に採択された「パリ協定」により、21世紀後半には排出量と吸収量の均衡を図ることが世界共通の目標として位置づけられた。その後、2018年のIPCC「1.5℃特別報告書」が深刻な影響回避には2050年までのネットゼロが不可欠であると指摘したことを受け、各国が相次いで2050年までのカーボンニュートラル実現を宣言した。日本においても、2020年10月に政府が2050年カーボンニュートラルを宣言し、経済成長と環境保護の両立を目指す「グリーン成長戦略」を策定した。

社会的影響・応用事例

  1. エネルギー転換: 発電部門での石炭火力から太陽光・風力・地といった再エネへの急速なシフト。
  2. モビリティの電動化: 自動車メーカーによる電気自動車(EV)への事業モデル転換と充電インフラの整備。
  3. グリーン水素の活用: 製鉄や化学産業など、電化が困難なプロセスにおける水素燃料の導入と脱炭素技術の適用。

関連概念

  • 脱炭素(デカーボナイゼーション): 炭素を排出しない社会への移行そのものを指す概念。
  • カーボンオフセット: 自ら削減困難な排出分を、他の場所での削減活動に投資することで相殺する仕組み。
  • ゼロエミッション: 排出ゼロを目指すという点では共通するが、排出を完全に無くすことを指す場合が多い。

参考リンク

SPONSORED