軌道力学(きどうりきがく)
最終更新:2026/4/25
軌道力学は、天体や人工衛星などの運動を、重力などの物理法則に基づいて解析する学問分野である。
別名・同義語 天体力学宇宙力学
ポイント
宇宙探査や人工衛星の運用において不可欠な基礎理論であり、ロケットの軌道設計や姿勢制御などに応用される。
軌道力学の概要
軌道力学は、主にニュートンの万有引力の法則と運動の法則を基盤として、天体の運動を予測・計算する学問です。地球を中心とした人工衛星の軌道計算から、太陽系内の惑星や彗星の運動、さらには銀河規模の天体の運動まで、幅広い対象を扱います。
歴史的背景
軌道力学の基礎は、ヨハネス・ケプラーが惑星の運動に関する法則を発見したことに始まります。ケプラーの法則は、惑星が楕円軌道を描き、太陽からの距離に応じて速度が変化することを示しました。その後、アイザック・ニュートンが万有引力の法則を発見し、ケプラーの法則を理論的に説明しました。20世紀に入り、ロケット技術の発展に伴い、軌道力学は宇宙開発に不可欠な分野となりました。
主要な概念
- 軌道要素: 軌道の形状や位置を決定する6つのパラメータ(軌道長半径、離心率、軌道傾斜角、昇交点黄経、近点引数、真近点離角)
- ケプラーの法則: 惑星の運動を記述する3つの法則(楕円軌道の法則、面積速度一定の法則、調和の法則)
- 二体問題: 2つの天体のみが互いに重力の影響を及ぼし合う場合の運動を解析する問題
- 三体問題: 3つの天体がお互いに重力の影響を及ぼし合う場合の運動を解析する問題(一般的に解析解は存在しない)
- 摂動: 理想的な軌道からのずれを引き起こす要因(他の天体の重力、大気の抵抗、太陽放射圧など)
応用分野
近年の動向
近年では、高精度な数値シミュレーション技術や、深宇宙探査における重力アシスト技術などが発展しています。また、宇宙ゴミ問題への対策として、軌道力学に基づいた除去技術の研究も進められています。