MPTCP(えむぴーてぃーしーぴー)
最終更新:2026/4/28
MPTCPは、複数のネットワークパスを同時に利用することで、通信の信頼性とスループットを向上させるTCPプロトコルの拡張である。
ポイント
MPTCPは、モバイル環境におけるハンドオーバーや、固定回線と無線回線の組み合わせなど、多様なネットワーク環境でのTCP通信を改善するために開発された。
MPTCPとは
MPTCP(Multipath TCP)は、TCP(Transmission Control Protocol)の拡張プロトコルであり、単一の接続を複数のネットワークパスに分割して同時にデータ転送を行うことを可能にします。従来のTCPは、単一の経路に依存するため、経路に障害が発生した場合や、複数の経路が利用可能な場合でも、その利点を活かすことができませんでした。MPTCPは、これらの問題を解決し、通信の信頼性とパフォーマンスを向上させることを目的としています。
MPTCPの仕組み
MPTCPは、クライアントとサーバーの両方でMPTCPをサポートしている場合に有効になります。接続確立時に、クライアントはサーバーに対して複数のアドレス(ネットワークパス)を提示します。サーバーは、これらのアドレスの中から利用可能なパスを選択し、クライアントとの間で複数のサブフローを確立します。データは、これらのサブフローを通じて並行して送信され、受信側ではそれらが再構成されます。
MPTCPの利点
- 信頼性の向上: 複数のパスを利用することで、いずれかのパスで障害が発生した場合でも、他のパスを通じて通信を継続できます。
- スループットの向上: 複数のパスを同時に利用することで、利用可能な帯域幅を最大限に活用し、データ転送速度を向上させることができます。
- モバイル環境への適応: モバイルデバイスが異なるネットワーク(Wi-Fi、セルラーなど)を頻繁に切り替える場合でも、MPTCPはシームレスなハンドオーバーをサポートし、通信の継続性を確保します。
- 遅延の削減: 複数のパスを利用することで、最適な経路を選択し、遅延を最小限に抑えることができます。
MPTCPの現状と課題
MPTCPは、Linuxカーネルに実装されており、一部のアプリケーションやネットワーク機器でサポートされています。しかし、MPTCPの普及には、いくつかの課題があります。例えば、ネットワーク機器の対応状況や、セキュリティの問題、既存のネットワークインフラとの互換性などです。今後の技術開発と標準化の進展により、MPTCPはより広く利用されることが期待されます。