0-RTT(ぜろあーるてぃーてぃー)
最終更新:2026/4/27
0-RTTは、TLSハンドシェイクのラウンドトリップ回数をゼロに削減する技術であり、接続確立の遅延を低減することを目的とする。
ポイント
0-RTTは、以前のセッションで交換された鍵情報を再利用することで、高速な接続確立を実現する。ただし、セキュリティ上の考慮事項も存在する。
0-RTTとは
0-RTT(Zero Round Trip Time)は、Transport Layer Security (TLS) プロトコルのハンドシェイクプロセスを最適化する技術です。従来のTLSハンドシェイクでは、クライアントとサーバー間で複数のメッセージ交換が必要であり、接続確立までに時間がかかっていました。0-RTTは、このハンドシェイクに必要なラウンドトリップ回数をゼロにすることで、接続の遅延を大幅に削減します。
0-RTTの仕組み
0-RTTの実現には、セッションレジューメ(Session Resumption)と呼ばれる機能が利用されます。セッションレジューメでは、以前のセッションでクライアントとサーバーが合意した鍵情報を再利用します。具体的には、サーバーはクライアントにセッションIDを発行し、クライアントは後続の接続でこのIDを提示することで、鍵情報の再ネゴシエーションを省略できます。0-RTTは、このセッションレジューメをさらに進化させ、鍵情報だけでなく、暗号化されたアプリケーションデータも最初のメッセージに含めることを可能にします。
0-RTTのメリット
- 接続確立の高速化: ラウンドトリップ回数をゼロにすることで、接続確立までの時間を短縮できます。
- ユーザーエクスペリエンスの向上: 特にモバイル環境や高遅延ネットワークにおいて、Webサイトやアプリケーションの応答性を向上させることができます。
- リソースの節約: ハンドシェイクに必要な計算リソースを削減できます。
0-RTTのデメリットとセキュリティ上の考慮事項
0-RTTは、Replay攻撃と呼ばれるセキュリティリスクを伴います。Replay攻撃とは、攻撃者が過去の通信を傍受し、それを再送信することで不正なアクセスを試みる攻撃です。0-RTTでは、最初のメッセージに暗号化されたアプリケーションデータが含まれているため、攻撃者はこのデータを再送信することで、サーバーに不正なリクエストを送信する可能性があります。このリスクを軽減するために、0-RTTでは、nonce(使い捨ての数値)などの対策が講じられています。
0-RTTの現状と今後の展望
0-RTTは、RFC 8446で標準化され、主要なブラウザやサーバーでサポートされています。しかし、セキュリティ上の懸念から、一部の環境ではデフォルトで無効になっている場合があります。今後の展望としては、セキュリティ対策の強化と、より広範な環境でのサポート拡大が期待されます。