養殖(ようしょく)
最終更新:2026/4/11
魚類や貝類などの水産動植物を、人為的に管理された環境下で種苗から成体まで飼育・収穫する産業。天然の資源を獲る漁業や、放流して育てる栽培漁業とは区別される。
ポイント
水産資源を人工的に囲い込み、育成から収穫までを一貫して管理する漁業。生産の安定化と持続的な供給を目的とする。
解説
仕組み
養殖は、水産生物を囲い網や生簀(いけす)、あるいは陸上の水槽などの管理された環境下で飼育するプロセスです。種苗の導入から出荷サイズに至るまでの餌付け、水質管理、病害対策を人間が全面的に行い、計画的な生産を目指します。育成の全工程(あるいは主要な工程)を人の管理下に置く点が、自然の生産力を利用して成長させる「栽培漁業」との決定的な違いです。
メリット・課題
- メリット: 生産量や出荷時期のコントロールが可能であり、市場ニーズに合わせた安定供給が実現できます。また、天然資源量に左右されないため、食料安全保障の観点からも重要です。
- 課題: 餌代や施設維持費などのコストが発生します。また、高密度飼育に伴う水質汚染や魚病の蔓延、餌となる魚粉の調達に伴う環境負荷、および遺伝的多様性の低下やエスケープ個体による生態系への影響など、持続可能性に向けた管理が求められています。
典拠・利用上の注意
本件名は、水産物を表す件名の細目としても用いられます(例: マグロ — 養殖 — 日本)。なお、稚魚・稚貝をある大きさになるまで人工的に養育し、広い水域に放流して自然の生産力を利用して成長させ漁獲を行う漁業については「栽培漁業」(典拠ID: 00998402)として区別します。
同義語・別名: 水産養殖[スイサンヨウショク]; 養殖[ヨウショク]; Aquaculture
養殖には、海水を利用する海面養殖や、淡水を利用する内水面養殖がある。近年では、環境負荷を低減し、水質を高度に管理できる閉鎖循環式陸上養殖(RAS)などの技術開発が進んでいる。