種子バンク(たねばんく)
最終更新:2026/4/25
種子バンクは、将来の植物の多様性を保全するために、種子を収集・保存する施設または活動である。
別名・同義語 遺伝資源バンク種子保存バンク
ポイント
種子バンクは、絶滅の危機に瀕している植物や、遺伝資源の多様性を維持するために重要な役割を担う。気候変動や環境破壊に対する備えとしても注目されている。
種子バンクとは
種子バンク(Seed bank)とは、植物の種子を低温・乾燥状態で長期間保存する施設、またはその活動を指します。その目的は、植物の遺伝的多様性を保全し、将来の食糧安全保障や生態系の回復に役立てることです。
種子バンクの歴史
種子バンクの概念は、20世紀初頭にニコライ・ヴァヴィロフによって提唱されました。ヴァヴィロフは、ソビエト連邦の植物育種学者であり、世界中の植物の種子を収集し、サンクトペテルブルクに種子バンクを設立しました。しかし、第二次世界大戦中のレニングラード包囲戦で、種子バンクは破壊され、多くの貴重な種子が失われてしまいました。
種子バンクの役割と重要性
種子バンクは、以下の役割を担っています。
- 遺伝資源の保全: 絶滅の危機に瀕している植物や、有用な遺伝資源を持つ植物の種子を保存することで、遺伝的多様性の喪失を防ぎます。
- 食糧安全保障: 気候変動や病害虫の発生などにより、食糧生産が脅かされる場合に備え、多様な作物の種子を保存することで、食糧安全保障に貢献します。
- 生態系の回復: 破壊された生態系を回復させるために、現地の植物の種子を保存し、植生回復に役立てます。
- 研究利用: 植物の研究者に対して、多様な植物の種子を提供することで、育種や遺伝子解析などの研究を促進します。
世界の主な種子バンク
- ミレニアム・シードバンク(イギリス、キューガーデン): 世界最大級の種子バンクであり、世界中の植物の種子を収集・保存しています。
- スヴァルバル世界種子バンク(ノルウェー、スヴァルバル諸島): 地球上の全ての植物の種子をバックアップすることを目的とした、地下に建設された種子バンクです。
- 米国農業省(USDA)種子バンク(アメリカ合衆国): アメリカ合衆国の主要な作物の種子を保存しています。
種子バンクの課題
種子バンクは、遺伝資源の保全に重要な役割を果たしていますが、いくつかの課題も抱えています。