フレーミング理論(ふれーみんぐりろん)
最終更新:2026/4/25
フレーミング理論は、問題の提示方法(フレーミング)が、意思決定に影響を与えることを説明する心理学の理論である。
ポイント
この理論は、同じ情報でも表現方法を変えることで、人々のリスクに対する認識や選択が変化することを示唆する。政治やマーケティングなど、様々な分野で応用されている。
フレーミング理論とは
フレーミング理論は、1981年に心理学者のカーネル・T・シモンズとアモスタ・Tヴァーガスによって提唱された認知心理学の理論です。この理論は、意思決定を行う際に、問題がどのように提示されるか(フレーミング)が、その後の判断に大きな影響を与えることを明らかにしました。
フレーミング効果
フレーミング理論の中核となる概念が「フレーミング効果」です。これは、同じ情報でも、利得(gain)として提示されるか、損失(loss)として提示されるかによって、人々の選択が異なる現象を指します。一般的に、人は損失を回避しようとする傾向が強く、損失として提示された場合、よりリスクを回避する選択をすることが知られています。
例えば、「手術を受けると90%の生存率」と「手術を受けると10%の死亡率」という二つの表現は、同じ内容を表していますが、前者は利得として、後者は損失として提示されています。多くの人は、前者の表現の方が手術を受ける可能性が高くなる傾向があります。
アトリビュート・フレーミング
フレーミングには、いくつかの種類があります。その中でも代表的なのが「アトリビュート・フレーミング」です。これは、ある属性(例えば、牛肉の脂肪含有量)を、肯定的な表現(「脂肪が少ない」)で提示するか、否定的な表現(「脂肪が多い」)で提示するかによって、評価が変わる現象です。
ゴール・フレーミング
もう一つのフレーミングの種類が「ゴール・フレーミング」です。これは、行動の結果を、達成可能な目標として提示するか、達成不可能な目標として提示するかによって、行動意欲が変わる現象です。
フレーミング理論の応用
フレーミング理論は、政治、マーケティング、交渉など、様々な分野で応用されています。例えば、政治家は、政策を支持者に有利なようにフレーミングすることで、支持を得ようとします。マーケターは、商品の特徴を魅力的にフレーミングすることで、消費者の購買意欲を高めようとします。
批判と限界
フレーミング理論は、意思決定のメカニズムを理解する上で重要な洞察を提供していますが、いくつかの批判もあります。例えば、フレーミング効果は、個人の価値観や経験によって異なる可能性があり、普遍的な法則ではないという指摘があります。また、フレーミング効果が、必ずしも非合理的な意思決定につながるとは限らず、状況によっては合理的な判断を助ける可能性もあるという意見もあります。