言語転移(ごげんてんい)
最終更新:2026/4/25
言語転移とは、ある言語の構造や特徴が、別の言語の使用に影響を与える現象のこと。
別名・同義語 言語干渉母語干渉
ポイント
母語の文法構造や発音習慣が、第二言語習得時に干渉を起こすことが代表的な例である。言語接触の結果として生じる。
言語転移とは
言語転移(Language Transfer)とは、ある言語(母語または既習言語)の構造、語彙、発音などが、学習中の別の言語(第二言語または外国語)の使用に影響を与える現象を指します。この影響は、ポジティブなもの(言語間の類似性による学習促進)とネガティブなもの(言語間の相違性による誤りや干渉)の両方として現れます。
言語転移の種類
言語転移は、その影響の及ぶ範囲や性質によって、いくつかの種類に分類されます。
- 概念的転移: ある言語の概念やカテゴリーが、別の言語に持ち込まれること。例えば、ある言語に存在しない文法的な性(男性名詞、女性名詞など)を、別の言語の概念に当てはめてしまう場合など。
- 言語的転移: 文法、語彙、発音などの言語的な要素が、別の言語に影響を与えること。これが最も一般的な転移の形であり、母語の文法構造が第二言語の文法構造に干渉したり、母語の発音習慣が第二言語の発音に影響を与えたりします。
- 文化的転移: 言語に内在する文化的な要素が、別の言語の使用に影響を与えること。例えば、ある言語に特有の敬語表現や婉曲表現が、別の言語のコミュニケーションスタイルに影響を与える場合など。
言語転移の例
- 文法転移: 日本語話者が英語を学習する際、「主語-目的語-動詞」の語順を「主語-動詞-目的語」に修正するのに苦労することが、文法転移の例です。
- 語彙転移: ある言語の単語を、別の言語の単語に直訳してしまうこと。例えば、日本語の「気持ち悪い」を英語で「feeling bad」と直訳してしまう場合など。
- 発音転移: 母語に存在しない音を、別の言語で発音する際に、最も近い音で代用してしまうこと。例えば、日本語話者が英語の /l/ と /r/ の区別を難しく感じる場合など。
言語転移への対処
言語転移は、第二言語習得において避けられない現象ですが、適切な対策を講じることで、そのネガティブな影響を軽減することができます。例えば、母語と第二言語の構造的な違いを意識的に理解したり、第二言語のネイティブスピーカーとのコミュニケーションを通じて、正しい発音や表現を習得したりすることが有効です。