モダニズム文学(もだにずむぶんがく)
最終更新:2026/4/14
20世紀初頭に興った文学潮流。伝統的な価値観や表現方法を否定し、実験的な手法を用いた。
別名・同義語 現代文学新文学
ポイント
第一次世界大戦後の社会不安や虚無感を背景に、人間の内面や意識の深層を探求した文学群である。自己言及性や断片化といった特徴を持つ。
モダニズム文学とは
モダニズム文学は、19世紀末から20世紀前半にかけて、ヨーロッパやアメリカを中心に興った文学の潮流です。伝統的な文学の形式や価値観を打破し、新しい表現方法を模索しました。その背景には、産業革命による社会構造の変化、第一次世界大戦による価値観の崩壊、そして心理学や哲学の発展などがあります。
特徴
モダニズム文学には、以下のような特徴が見られます。
- 内面の探求: 外的な出来事よりも、人間の内面、特に意識の深層や無意識の世界を探求します。
- 実験的な表現: 伝統的な文体や構成を否定し、意識の流れ(stream of consciousness)、内面独白、モンタージュ、断片化などの実験的な手法を用います。
- 自己言及性: 文学作品そのものが主題となる、自己言及的な傾向が見られます。
- 多義性と曖昧性: 明確な意味を避け、読者の解釈に委ねるような、多義性や曖昧性を意図的に取り入れます。
- 都市の描写: 近代都市の喧騒や孤独、疎外感などを描写することが多く、都市はモダニズム文学の重要な舞台となります。
代表的な作家と作品
- ジェイムズ・ジョイス: 『ユリシーズ』、『ダブリン市民』
- ヴァージニア・ウルフ: 『ダロウェイ夫人』、『灯台へ』
- フランツ・カフカ: 『変身』、『審判』
- マルセル・プルースト: 『失われた時を求めて』
- T.S.エリオット: 『荒地』
- ウィリアム・フォークナー: 『音と光』
日本におけるモダニズム文学
日本においては、大正時代にモダニズム文学が紹介され、堀辰雄、川端康成、三島由紀夫などの作家が、西洋のモダニズム文学の影響を受けながら、独自の作品を生み出しました。特に、堀辰雄の『聖家族』や川端康成の『伊豆の踊子』などは、日本のモダニズム文学を代表する作品として知られています。