無頼派(むらいは)
最終更新:2026/4/14
第二次世界大戦後、既存の道徳や価値観に反抗し、退廃的な生活を送りながら自己の真実を追求した作家群の総称。太宰治、坂口安吾、織田作之助らが代表的である。
別名・同義語 アングラ文学戦後文学
ポイント
戦後の混乱期に現れ、社会からの疎外感や虚無感を抱えながら、独自の表現を試みた作家たちによって構成された。
概要
無頼派は、1947年に『文学界』に発表された埴谷雄高の小説「仮面の下」を契機に注目を集めた。従来の文学観や社会通念にとらわれず、虚無感や孤独感を抱えながら、自己の内面を深く掘り下げた作品を多く発表した。彼らは、戦後の社会状況や価値観の崩壊を背景に、既存の文学体制や社会規範に反抗し、独自の文学を追求した。
特徴
無頼派の文学は、一般的に以下のような特徴を持つ。
- 自己の内面への探求: 個人の孤独、不安、虚無感といった内面的なテーマを深く掘り下げている。
- 反体制的な姿勢: 既存の社会体制や価値観に批判的な視点を持ち、それに反抗する姿勢が見られる。
- 実験的な表現: 従来の文学形式にとらわれず、新しい表現方法を積極的に試みている。
- 徹底した自我主義: 個人の主観や感情を重視し、客観的な視点からの描写を避ける傾向がある。
代表的な作家
無頼派の代表的な作家としては、以下の名前が挙げられる。
- 埴谷雄高
- 澁澤龍子
- 大江健三郎(初期)
- 高橋玄一郎
- 田中英治郎
影響と評価
無頼派の文学は、戦後の日本文学に大きな影響を与えた。彼らの作品は、既存の文学体制に疑問を投げかけ、新しい文学の可能性を切り開いた。しかし、その一方で、その難解さや自己中心的とも言える表現は、批判の対象となることもあった。現在では、戦後文学を理解する上で欠かせない存在として、再評価が進んでいる。
終焉
1960年代に入ると、無頼派の作家たちはそれぞれの道を歩み始め、グループとしての活動は徐々に衰退していった。しかし、彼らの文学が提起した問題意識や表現方法は、後世の作家たちに受け継がれ、日本文学の多様性を豊かにしている。