白樺派(しらかばは)
最終更新:2026/4/14
ロシア革命後の亡命ロシア文学を摂取し、個人の内面体験や純粋性を重視した、大正から昭和初期にかけての日本の文学同人集団。
別名・同義語 新思潮ロシア文学の影響を受けた文学
ポイント
武者小池正人らの活動により、耽美主義や個人主義的な傾向を打ち出し、日本の近代文学に大きな影響を与えた。雑誌『白樺』が中心。
概要
白樺派は、1916年に武者小池正人、吉江恭一、深尾須磨子らによって創刊された雑誌『白樺』を拠点とする文学同人集団である。ロシア革命後の亡命ロシア文学、特にトルストイやドストエフスキーといった作家の思想や文学に強い影響を受けた。彼らは、当時の日本の社会や文学が抱える欺瞞や虚飾を批判し、個人の内面体験や純粋性、真実性を重視した作品を創作した。
特徴
白樺派の文学は、一般的に以下のような特徴を持つ。
- 内面主義: 個人の内面世界や感情、精神的な葛藤を深く掘り下げて描く。
- 純粋性への希求: 社会の汚染から離れた、純粋で理想的な世界を求める。
- 個人主義: 個人の尊厳や自由を尊重し、集団や社会からの束縛を否定する。
- 耽美主義: 美的な感覚を重視し、芸術的な表現を追求する。
- 宗教的・倫理的関心: キリスト教的な倫理観や宗教的なテーマに関心を寄せる。
主要な作家
白樺派には、多くの優れた作家が参加した。
- 武者小池正人: 白樺派の創始者であり、理論家。耽美主義的な詩や評論を発表。
- 吉江恭一: 詩人、小説家。繊細で抒情的な詩風で知られる。
- 深尾須磨子: 小説家。女性の心理や社会問題を鋭く描いた作品を発表。
- 牧野信一: 小説家。農村や自然を舞台にした作品で知られる。
- 小林多喜二: 小説家。プロレタリア文学にも影響を与えた、社会的なテーマを扱った作品を発表。
影響と評価
白樺派は、日本の近代文学に大きな影響を与えた。彼らの文学は、その後の文学の展開に大きな足跡を残し、多くの作家に影響を与えた。しかし、その耽美主義的な傾向や個人主義的な思想は、批判の対象となることもあった。現在では、日本の近代文学史における重要な一章として、高く評価されている。