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老人雑話(ろうじんざつわ)

ɾoːʑind͡zaꜜtsɯwa

最終更新:2026/4/11

江戸時代初期の儒医・江村専斎の談話を、子の江村淡斎が編纂した随筆。専斎の長寿の秘訣や医学的知見に加え、戦国時代からの伝聞や当時の世相を記した貴重な記録。

ポイント

100歳まで長命を保った儒医・江村専斎の談話を記録した、医学・歴史的価値の高い随筆である。戦国時代末期から江戸初期の風俗や逸話が豊富に含まれる。

老人雑話(ろうじんざつわ)

『老人雑話』は、江戸時代初期の医師・儒学者である江村専斎(えむら せんさい、1565-1664)が著した全5巻の随筆集です。寛文年間(1661〜1673)頃に成立したと考えられています。

内容と特徴

本書は、専斎が百歳という当時としては驚異的な長寿を全うする中で書き残した記録です。内容は多岐にわたり、以下のような項目が含まれます。

  • 養生法・医学: 専斎自身の長寿の秘訣や、当時の医学観、身体論。
  • 世相・風俗: 豊臣政権から徳川初期にかけての京都を中心とした社会情勢。
  • 人物伝: 交流のあった当時の学者や武士、町人らとのエピソード。
  • 随筆・雑記: 古今東西の伝聞や、日常生活の中での気づき

特に、医学と儒学の両面に通じた教養人としての視点から綴られた記述は、当時の庶民生活や思想状況を知るための貴重な歴史資料(一次史料)として高く評価されています。また、文体は平易であり、当時の生きた日本語の記録としても文学的価値を有しています。

歴史的意義

著者の江村専斎は、松永尺五の門下であり、林羅山らとも交流がありました。専門医としての視点と、文人としての冷静な観察眼が混ざり合った本書は、近世初期の医学史および社会文化史において重要な位置を占めています。

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